胃を一部切除することで肥満を解消する外科手術が保険適用で急増

胃の一部を切除することで肥満を解消する外科手術が急増中

 

 

 

先日、Yahoo!ニュースで飛び込んできたものです。

 

「多くの病気の危険因子となる「肥満」では、胃を小さくするなどの減量手術も選択肢。腹腔鏡下スリーブ状胃切除術は2014年に国の保険が適用された後、国内の肥満症の手術は急増したという。」

 

とのことなのですが、
そもそも胃の切除手術って保険適用になっていたんですね。

 

そこから驚きました。

 

 

肥満は病気の原因に

胃の手術

 

Yahoo!ニュース本文↓
重度の肥満に外科手術 胃を一部切除、保険適用で急増

 

こちらがYahoo!ニュース本文になるのですが、体型をよくしたい、スリムになりたいというレベルののものではなく、肥満が他の病気を引き起こしているレベルになっている場合は、それはもう病気となります。

 

肥満が原因の病気もたくさんあり、多くの方の深刻な悩みになっています。

 

このように病気に発展する恐れのあるような肥満体質でいる場合は、病院での減量相談なども受けていることが多いと思うのですが、普通に指導を受けても食事指導や運動指導、。
なかなかすぐに効果を出せるようなダイエット法はありませんでした。

 

しかし、ここで登場したのが胃の一部を切除するという外科手術を使った肥満対策の方法。

 

この手術が保険適用になったのが2,014年でそれからこの手術を受けたいという人が急増しているとのニュースでした。

 

 

胃の一部切断ってどんな手術なの?

 

この肥満対策のための外科手術ですが一体どんな手術をするのでしょうか?

 

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術では胃の約80%を切除する。残す部分は約100ccとバナナ1本程度の大きさだ。食事の摂取量を制限して体内に入るエネルギーを減らす。患者は手術後、少し食べれば満腹になる。低カロリーの「フォーミュラ食」などをとる。

引用:Yahoo!ニュース

 

とのこと。

 

約80%も胃を切断し、少しの量で「もう満足」とさせてしまう手術になるようです。
胃を小さくして少しの量でおなかがいっぱいになるので肥満が解消されるという仕組みです。

 

 

しかし・・・・・

 

 

関西医科大学附属病院の資料でさらに詳しく見てみたみたのですが、この腹腔鏡下スリーブ状胃切除手術はそんなに簡単なものでもないようです。

 

というのも胃を切除することで胃は小さくなっているのもかかわらず「食べたい」という気持ちが抑えられず、食べ過ぎで小さくなった胃を破いてしまったり、食べられないというストレスで気持ちが不安定になったりしてしまう人も多いそうです。

 

ただ手術をしたから成功というわけではなく、その後の生活習慣が大きく影響するようです。

 

 

  • 具体的な内容としては、関西医科大学附属病院のケースですとまず1泊2日の検査入院でをし次のような検査を行います。
  • 血液検査
  • 安静時代謝測定検査(1日に使う必要最低限のエネルギー代謝量を測定)
  • 血管内皮機能検査(血管の硬さや機能を測定)
  • INBODY測定(体組成を測定)
  • 運動時代謝測定検査(運動中に起こる不整脈など心臓の異常の有無や血圧が上がり過ぎていないか一番適した運動強度を測定)
  • 自律神経検査(自律神経のバランスとストレスに対する反応を測定)
  • 睡眠時無呼吸検査
  • 腹部CT(:腹部の内臓脂肪・皮下脂肪を測定)
  • DEXA(微量な放射線を用い、全身の脂肪、筋肉量を測定)

 

この入院費用は72,000円だということです。

 

この後、実際の手術までに半年間通院し、生活習慣の見直しをします。

 

ここではじめて手術となるそうです。

 

手術後も食事や生活指導など様々な内容のケアを受けることになります。
(すぐに食事をとることはもちろんだめ。スプーン1杯の野菜スープなどからゆっくりはじめるそうです)

 

 

治療期間としては手術までに半年、その後も半年通院をするので、1年は最低でもかかります。

 

 

手術費用はいくら位なの?

 

手術の費用は手術入院で210,000円。
手術代が168,000円。

 

これ以外に手術までに通院した分の診察料がかかります。

 

また術後も月に2回以上、半年間の通院をしなければなりません。
ここの診察料もかかります。

 

 

ただし、健康保険で「高額療養費制度」が適応されますので、実際には負担額は返金されます。
年収などでかなり差が出ますが、年収370万円〜770万円の方で自己負担の上限は90,000円以下くらいになります。

 

ダイエットもジムに通うなどいろいろとお金がかかるものも多いので、この負担はそれほど高額ではないような気もしますね。

 

とはいっても、ダイエットが楽になる!というような簡単な気持ちではできるものでもなさそうです。
ここは病気としての「肥満」ではないと覚悟は決まらないかも・・・。

 

 

 

保険適用で手術を受けられる人

 

この腹腔鏡下スリーブ状胃切除は保険適用になったことでこの手術を受ける人が急増したわけですが、誰でも保険適用になるのかというとそうではありません。

 

(1)BMIが35以上の高度肥満
(2)半年以上の内科的治療でも減量効果がない
(3)糖尿病、高血圧症、脂質異常症、睡眠時無呼吸症のうち1つ以上を合併

 

という3つの条件が保険の適応にはなりません。

 

BMI35未満の人なども手術は受けられるのですが、この場合は自由診療になるのでかなりの高額になります。

 

また手術を受けられる病院は現在全国で50カ所くらいとのことです。

 

かなり難しい手術であるため熟練の執刀医ではないと大変のようです。

 

 

 

ニュースを見たときは

 

「手術でダイエット???」
「保険適応??」
などと思って少し期待してしまいましたが、

 

「ダイエット」というような軽い言葉で言ってはいけない種類のものでした。

 

 

でも肥満が引き起こす重度の合併症の恐怖におびえながら過ごしていた方にはかなりの朗報ですね。

 

2,018年には600例以上が実施されたそうです。

 

 

 

以上、
「胃の一部を切除することで肥満を解消する外科手術が急増中」
というニュースからの話題でした。

 

 

 

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